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散骨とは?違法になる可能性と手続き、費用の目安を解説

近年、海や山に遺骨をまく「散骨」という供養方法を選ぶ方が増えています。
ただし、散骨には法的な注意点やマナーがあり、誤った方法で行うとトラブルの原因になる可能性もあります。
本記事では、散骨の基本から費用の目安、手続きの流れなどについてご紹介していきます。

 

散骨とは?

散骨とは、火葬後の遺骨を細かく粉砕し、海や山、空といった自然の中にまいて供養する方法です。
お墓や納骨堂を持たず、自然の中で故人を見送る新しい供養として注目されています。

散骨は違法?

「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」には散骨に関する明確な規定がありません。
そのため、散骨自体は違法ではありませんが、個人が独自に行う、周囲の理解を得られずトラブルになることもあります。
散骨を検討する際は、専門業者へ依頼するのが基本です。
厚生労働省では、2020年に散骨事業者に向けて「散骨に関するガイドライン」を公表しており、散骨は特定の区域において、各種法令に従い実施するのが望ましいとしています。

※出典:厚生労働省「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)

散骨が禁止される場所

散骨は自由に行えるわけではなく、場所によっては避ける必要があります。
具体的には、次のような場所です。

●許可を得ていない私有地
● 公共の公園や河川
● 観光地やキャンプ場など人が多く集まる場所
● 港湾付近や漁業区域
● 住宅地や墓地の周辺

これらの場所での散骨はトラブルの原因となるため、許可のない場所では行わないことが基本です。

 

散骨の種類と費用の目安

散骨は、故人の意思やご家族の希望に合わせて、さまざまな形で行うことができます。
ここでは、代表的な4つの散骨方法について、それぞれの特徴と費用の目安をご紹介します。

海洋散骨

海洋散骨は、専用の船で沖合に出て粉骨した遺骨を海へまく散骨方法です。
「海に還る」という自然なイメージから人気が高く、宗旨宗派を問わず選ばれています。
海洋散骨には家族のみで行う「個別散骨」、複数の家族が同乗する「合同散骨」、業者が代行する「委託散骨」などがあります。
費用の目安は個別散骨で15~50万円、合同散骨で10~30万円、委託散骨で5~10万円程度です。

山林散骨

山林散骨は、自然豊かな山や森の中に粉骨した遺骨をまく供養方法です。
実施には土地所有者の許可が必要で、無断で行うとトラブルや条例違反に発展するおそれがあります。
費用の目安は個人で行う場合が3万~5万円程度、業者に依頼する場合は10万~30万円ほどです。
樹木葬と組み合わせて行うケースもあり、自然回帰を望む方に選ばれています。

空中散骨

空中散骨は、ヘリコプターや小型飛行機、ドローンなどを使い、上空から粉骨した遺骨をまく供養方法です。
海や山などの上空を旋回しながら行うため、雄大な景色の中で故人を見送ることができます。
費用の目安はおよそ100万円以上で、飛行ルートや天候によって日程が左右される点には注意が必要です。

宇宙散骨

宇宙散骨は、ロケットやバルーンを用いて遺骨の一部を宇宙へ送り出す供養方法です。
地球の軌道上や成層圏などへ遺骨を打ち上げます。
費用はプランや業者によって異なりますが、おおよそ30万~100万円前後で、動画撮影や記念証明書が付くプランもあります。

 

散骨のメリット・デメリット

散骨のメリット・デメリットについてもそれぞれ確認しておきましょう。

メリット

散骨の魅力のひとつは、墓石の建立や管理にかかる負担を軽減できる点です。
お墓を持たないため、維持費や清掃の手間がかからず、継承者がいない家庭でも検討しやすい供養方法といえます。
また、宗旨宗派を問わず行えるため、形式にとらわれず自然の中で故人を見送りたい方に向いています。
ただし、他の供養方法と同様に、家族の理解を得ながら進めることが大切です。

デメリット

一方で、散骨は遺骨をまいた後にお墓が残らないため、定期的にお参りをしたり、花を手向けたりする場所がないという欠点があります。
家族や親族の中には「形のある供養がないのは寂しい」と感じる方も少なくありません。
また、散骨を行う場所によっては、近隣住民とのトラブルや環境への影響が懸念されるケースもあります。
法律上は違法ではありませんが、節度をもって行い、信頼できる業者のサポートを受けることが望ましいでしょう。
供養の形をしっかり残したい場合は、別の方法も含めて慎重に検討することをおすすめします。

 

散骨を行う場合の流れ

散骨を行う際は、故人の希望を尊重しながら、法的なルールやマナーを守って準備を進めることが大切です。
ここでは、散骨の一般的な流れを4つのステップに分けて紹介します。

1. 亡くなってから火葬までの流れは通常の供養と同じ

葬儀から火葬までは、通常の供養と大きな違いはありません。
ただし、散骨を予定している場合は、葬儀前後の段階で家族や親族に意向を伝えておくことが重要です。
後から「知らなかった」「納得できない」といった意見が出てしまうと、トラブルの原因になるため、事前に希望の散骨方法や場所について話し合い、同意を得ておくようにしましょう。

2. 散骨業者の選定

散骨は個人で行うことも可能ですが、法令や環境への配慮が求められるため、専門業者に依頼するのが一般的です。
業者を選ぶ際は、厚生労働省の「散骨に関するガイドライン」に沿った運営をしているか、粉骨や献花、証明書発行などのサービス内容が整っているかを確認したうえで、故人の希望に合うプランを選ぶようにしましょう。

3. 粉骨

散骨を行う際には、遺骨をそのままの形でまくことはできません。
法律上の観点からも、骨の形が分からないように2mm以下に粉砕(粉骨)する必要があります。
粉骨は自宅でも可能ですが、専用の機材や衛生管理が求められるため、専門業者に依頼するのが安心です。

4. 散骨の実施

散骨の実施方法には、業者に任せるプランと遺族が参加する方法の2種類があります。
参加型の場合は、当日に黙祷や献花を行いながら故人を見送ります。
散骨後には、実施証明書や散骨風景の写真をもらえる業者もあり、心に残る供養となるでしょう。
天候や安全面の配慮が必要なため、日程には余裕を持って計画することが大切です。

自然に囲まれながらの供養なら樹木葬もおすすめ

散骨 樹木葬
遺骨の扱い 粉骨して海や山にまく 樹木や草花に囲まれた自然の中で遺骨を供養する
供養場所 設けない 霊園や専用区画にあり
粉骨 必要 基本的に必要
費用 約5万~30万円 約20万~70万円

散骨と樹木葬はいずれも「自然に還る」という想いを叶えられる供養方法です。
散骨はお墓を持たず自由に自然へ還れる一方で、樹木葬は霊園内に墓所があるため、家族がいつでもお参りできるという安心感があります。
自然と調和した穏やかな環境で供養を希望される場合は、樹木葬をおすすめします。「はなうたガーデン-伊東-」は、墓標や墓石を置かないフラットな区画と豊かな樹々や花々が広がる開放的なガーデン霊園です。一般的な樹木葬の枠を超え、伊豆七島や相模灘の雄大な景色を眺めながら、ゆったりと故人を偲ぶことができます。

 

まとめ

本記事では、散骨の基本から種類、メリット・デメリット、費用の目安などについてご紹介しました。
散骨は、自然と一体になって眠ることができる自由な供養方法です。
ただし、法律・マナーを守らずに行うとトラブルを招くおそれがあるため、信頼できる業者に依頼するのが安心です。
また、「お墓参りが難しい」「家族の負担を減らしたい」「自然に還りたい」という想いを持つ方には、樹木葬という選択肢もおすすめです。

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